ピーチ、中部-札幌・仙台就航 2路線同時開設
ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は12月24日、中部空港(セントレア)へ就航し、札幌(新千歳)線と仙台線を開設した。ピーチの中部就航は初めてで、ターミナルは同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)と同様に第1ターミナルを使用する。初便の札幌行きMM461便(エアバスA320型機、登録記号JA815P)は乗客160人(幼児なし)を乗せ、午前8時37分に出発した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、搭乗口での就航記念イベントは見送られた。 【セントレアに就航したピーチ】 関西空港を拠点とするピーチは、2012年3月の就航以来、これまで中部へ就航したことがなかった。中部就航で長野県など東海地方や周辺の利用者もカバーでき、空港までの距離を片道2時間とした場合に、国内の空白地帯はほぼ埋まる。 札幌線が1日2往復、仙台線は1往復で、いずれもエアバスA320型機(1クラス180席)または次世代機A320neo(同188席)を使用。機材を夜間駐機する「拠点空港」として運用していく。中部は関空と成田、新千歳、仙台、福岡、那覇に続く7つ目の拠点空港となった。 2021年1月22日には那覇と石垣の2路線を開設し、中部発着は4路線に拡大。中部-石垣線をLCCが開設するのは初めてとなる。 中部にはエアアジア・ジャパンが乗り入れていたが、新型コロナの影響で経営破綻。9月の4連休最終日22日を最後に運休となり、12月5日付で事業廃止となった。札幌線と仙台線ともエアアジアが運航していた路線で、ピーチの就航によりLCCの中部発着便が引き継がれた。 札幌線の運航スケジュールは、朝便の札幌行きMM461便が中部を午前8時30分に出発して、午前10時15分着。中部行きMM462便は午前10時55分に札幌を出発し、午後0時45分に到着する。夜便の札幌行きMM463便は中部を午後5時25分に出発して、午後7時10分着。中部行きMM464便は午後8時5分に出発し、午後9時55分に中部へ到着する。運賃は片道4690円から。 仙台線は、仙台行きMM491便が中部を午後1時35分に出発して、午後2時40分着。中部行きMM492便は午後2時10分に仙台を出発し、午後3時25分に中部へ到着する。運賃は片道4990円から。 ピーチの森健明CEO(最高経営責任者)は、「東海圏はLCCのニーズが高い。創業当初から就航を考えていたが、国際線が厳しく国内線にシフトするタイミングで就航することになった」と述べた。また、今後の路線展開について「感染予防対策を徹底し、国内線ネットワークを拡充する」と語った。 ピーチはANAグループにグランドハンドリング(地上支援)を委託するなどの関係で、LCC専用の第2ターミナルではなく、ANAと同じ第1に就航することになった。中部空港を運営する中部国際空港会社の犬塚力社長は、第2ターミナルの今後について「全体の需要回復でにぎわいを取り戻したい。コロナ収束に向けてしっかり準備していく」と語った。 ピーチは新型コロナの影響で、国際線による訪日客獲得を中心とする戦略から転換し、国内線拡充を前倒ししている。年明けは1月に中部2路線を拡充後、2月10日に成田-女満別線、19日に成田-大分線を開設し、それぞれ1日1往復ずつ運航する。
Tadayuki YOSHIKAWA