JAL 導入初号機の777-300ERを退役 26日にラストフライト
日本航空(JAL)は、ボーイング777-300ER型機の2機目の退役を決定した。JALが同型機として初めて導入したJA731Jを退役させる。
ラストフライトは、5月26日のロサンゼルスを午後1時40分に出発し、東京/羽田に翌日午後5時25分に到着するJL015便となる。
同機は2004年6月15日に受領し、同7月1日に東京/成田発シンガポール行きで初運航した。ラストフライトの後は退役整備を数か月かけて実施する。
客室は、ファーストクラス「JAL SUITE」が「1-2-1」配列で8席、ビジネスクラスの「JAL SKY SUITE」が「2-3-2」配列で49席、プレミアムエコノミークラスの「JAL SKY PREMIUM」が「2-3-2」配列で40席、エコノミークラスの「JAL SKY WIDER」が「3-3-3」配列で147席の計244席仕様。
JALは、長距離国際線向けにボーイング777-300ER型機を13機保有していたものの、すでに1機を退役させている。新たな国際線の旗艦機となるエアバスA350-1000型機の導入に伴い、段階的に退役する。
✈️ ボーイング777-300ERとは?
ボーイング777-300ERは、アメリカのボーイング社が製造する長距離ワイドボディ旅客機「ボーイング777」シリーズの派生型で、特に「航続距離延長型(ER = Extended Range)」として開発されたモデルです。
🔧 基本スペック
項目 | 内容 |
---|---|
初飛行 | 2003年2月24日 |
運航開始 | 2004年5月(エールフランスが初導入) |
全長 | 約73.9メートル(777シリーズ中最長) |
全幅 | 約64.8メートル |
全高 | 約18.5メートル |
最大離陸重量(MTOW) | 約351,500 kg |
航続距離 | 約13,650 km(7,370海里) |
最大巡航速度 | マッハ0.84(約892 km/h) |
座席数(一般的な3クラス配置) | 約314~396席 |
エンジン | GE90-115B(ゼネラル・エレクトリック製、推力最大115,000ポンド) |
🌍 主な特徴
✅ 長距離飛行に特化
「ER(Extended Range)」の名の通り、従来の777-300より大幅に航続距離が延びており、世界の主要都市間を直行便で結ぶのに最適です。
✅ 超高性能エンジン搭載
GE90-115Bエンジンは、世界最強の推力を誇るジェットエンジンの1つであり、離陸性能や燃費効率の高さも評価されています。
✅ 大型キャビンで快適性向上
ワイドボディ機のため座席配置にゆとりがあり、エコノミーでも比較的快適な空間が確保されています。ビジネス・ファーストクラスではフルフラットシートも導入されることが多く、長距離路線でも高い快適性が魅力です。
🛫 導入している主な航空会社(※一部)
-
日本航空(JAL)
-
全日本空輸(ANA)
-
エミレーツ航空(世界最大の導入数)
-
カタール航空
-
エールフランス
-
ルフトハンザ航空
-
ユナイテッド航空
-
シンガポール航空
-
エティハド航空
-
トルコ航空
🧳 よく使われる路線(例)
-
東京(成田・羽田)〜ニューヨーク/ロンドン/パリ
-
ドバイ〜ロサンゼルス
-
シンガポール〜フランクフルト
-
ソウル〜サンフランシスコ
🏁 後継機種と今後
ボーイング777-300ERは現在も多くの航空会社で主力機材として使用されていますが、後継機として「ボーイング777X(777-8 / 777-9)」の開発が進んでいます。777Xはより高効率で先進的な機材であり、将来的には777-300ERを置き換えていく予定です。
💡 トリビア
-
「GE90-115B」エンジンのファン直径は約3.25メートル。これは小型ジェット機の胴体と同等のサイズです。
-
777-300ERは「双発機」としては離陸重量・航続距離のバランスに非常に優れており、四発機のB747シリーズの代替としても重宝されています。