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初夏のある日、私は思い立って「瀬戸内海周遊の旅」を計画した。穏やかな海と美しい島々、そして地元のグルメを楽しむこの旅は、私にとって初めての体験だ。背中にはリュックを背負い、ワクワクした気持ちで広島空港に降り立った。
旅の初日は広島市内を散策することにした。まず向かったのは原爆ドームと平和記念公園。戦争の悲惨さと平和の大切さを改めて感じながら、静かに祈りを捧げた。続いて訪れたのは広島城。美しい天守閣から眺める景色に、歴史の重みを感じる。
昼食にはお好み焼きの名店へ。鉄板の上で焼かれるお好み焼きの香ばしい匂いに食欲をそそられる。広島風お好み焼きを一口頬張ると、その美味しさに思わず笑顔がこぼれた。地元の牡蠣も堪能し、広島の味を満喫した。
午後はフェリーに乗って宮島へ向かった。厳島神社の大鳥居が海上に浮かぶ姿は、まさに神秘的だ。鳥居をくぐり抜け、神社を参拝した後は、ロープウェイで弥山へ登ることにした。山頂から眺める瀬戸内海の絶景に、心が洗われるようだった。
夕方、宿に戻ると、温泉に浸かって旅の疲れを癒した。露天風呂から見える夕焼けは、美しい一日の締めくくりにふさわしかった。
翌日は小豆島へと渡った。オリーブ公園では、風車の前で写真を撮ったり、オリーブオイルを使った料理を楽しんだりと、のんびりと過ごした。特にオリーブソフトクリームは絶品で、その爽やかな味に感動した。
午後はエンジェルロードを散策。潮の満ち引きで現れるこの道を歩くと、まるで天使に導かれているような気持ちになる。自然が作り出す不思議な光景に、心が躍る。
次に訪れたのは直島。アートの島として知られるこの場所は、現代アートの宝庫だ。地中美術館では、モネの「睡蓮」やジェームズ・タレルの作品に触れ、アートの世界に浸った。ベネッセハウスでは、海を見ながらアートを楽しむという贅沢な時間を過ごした。
島内をレンタサイクルで巡りながら、草間彌生の「南瓜」や家プロジェクトを見学。アートと自然が融合した空間に、心が豊かになるのを感じた。
最終日は香川県へ。まずは讃岐うどんを堪能することにした。地元の製麺所で食べたうどんは、コシがあり絶品だった。シンプルなぶっかけうどんから、肉うどんまで、いくつかの店舗を巡りながら食べ比べを楽しんだ。
次に訪れたのは金刀比羅宮。長い石段を登りきると、眼下には瀬戸内海の美しい景色が広がっていた。参拝を済ませ、境内の静けさに心を落ち着かせる。ここでもまた、瀬戸内海の自然の美しさに魅了された。
旅の最後に、高松港からフェリーで岡山に戻る。船の上から見る瀬戸内海の島々は、これまでの旅の思い出を一つ一つ振り返らせてくれる。穏やかな海と青い空、そして豊かな自然と美味しい食べ物に恵まれたこの旅は、私の心に深く刻まれた。
瀬戸内海周遊の旅は、日常の喧騒を忘れさせてくれる素晴らしい時間だった。次はどの季節に訪れようか、そんなことを考えながら、私はまたこの美しい場所に戻ってくることを誓った。
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