ANA 新ビジネスクラス「THE Room FX」を発表
全日本空輸(ANA)とSafran Seatsは、新型ビジネスクラスシート「THE Room FX」を発表した。パリ・エアショーでお披露目した。
イギリスのデザイン会社、Acumen Design Associateの協力のもとで開発したもので、ボーイング787-9型機に、2026年度以降導入する。
2019年にボーイング777-300ER型機に導入した個室型ビジネスクラス「THE Room」の開発経験などをベースに、コンセプトを考案した。FXは「Future Experience」の略称。
シートピッチは103インチで「1-2-1」配列。個室ドアと壁を薄型化し、背もたれに曲線ラインを採用した。前向きと後ろ向きを互い違いに配置している。現行のボーイング787-9型機のシートと比べて横幅が広くなり、あらかじめ背もたれをリクライニングさせたプリリクライニング方式を採用。モニターサイズも24インチに大型化し、ワイヤレス充電やUSB-C/-A電源、AC電源、Bluetooth接続も採用した。
ボーイング787-9型機には、ビジネスクラス48席とプレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス137席の計206席を設ける。
✈️ ボーイング787-9とは?
ボーイング787-9は、アメリカの航空機メーカー・ボーイング社が開発した次世代型中型ワイドボディ旅客機「ドリームライナー(Dreamliner)」シリーズのひとつで、基本型である787-8の胴体を延長した派生型です。
🔧 基本仕様(スペック)
項目 | 内容 |
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初飛行 | 2013年9月17日 |
就航開始 | 2014年8月(ニュージーランド航空) |
全長 | 約63メートル |
全幅 | 約60メートル(折りたたみ式ウィングチップ含まず) |
高さ | 約17メートル |
航続距離 | 約14,010km(7,530海里) |
最大離陸重量 | 約254トン |
標準座席数 | 約250~296席(航空会社・仕様により異なる) |
エンジン | ロールス・ロイス Trent 1000 または GE GEnx-1B |
機体材質 | 約50%が炭素繊維複合材(軽量・高強度) |
🌟 特徴とメリット
✅ 1. 長距離・中規模市場に最適
787-9は、中規模都市間をノンストップで結ぶ長距離路線に適しており、従来機では難しかった航路を開拓できる点が航空会社にとっての大きな利点です。
✅ 2. 優れた燃費性能
ボーイング787ファミリーは、同等サイズの旧世代機(例:767)と比較して約20~25%の燃費削減を実現。環境負荷の低減にも貢献しています。
✅ 3. 快適性向上(乗客向け)
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客室の気圧設定が低く(標高1,800m相当)、乗客の疲労を軽減
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湿度が高めに保たれ、乾燥による不快感を軽減
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大型の電子シェード窓により明るさを段階的に調整可能
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静粛性に優れ、エンジン音・機内の振動が少ない
🌍 採用航空会社(例)
航空会社 | 主な用途 |
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ANA(全日本空輸) | 国際線・国内線・プレミアム戦略型運用 |
JAL(日本航空) | 欧米・アジア路線の主力機材 |
カタール航空 | 長距離路線の中核 |
エティハド航空 | 中東~欧米・アジアの幹線 |
エールフランス | 欧州内外の戦略路線 |
アメリカン航空・ユナイテッド航空 | 米国国内・国際線 |
🛫 まとめ:なぜ787-9は人気なのか?
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中距離〜長距離に強く、汎用性が高い
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燃費が良く、環境にも配慮
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乗客の快適性が極めて高い
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航空会社にとっても収益性が高い
このように、ボーイング787-9は“新しい空のつながり”を可能にした次世代機として、世界中の航空会社に選ばれ続けています。