【海外旅行物語】母が好きだった韓国を、少しだけ好きになれた旅!

神戸空港へ向かうポートライナーの車内で、母は珍しく落ち着かない様子だった。
「ほんまに韓国行くんやなぁ……」
窓の外を見ながら、何度も同じ言葉を口にする。
その姿を見て、僕は少しだけ不思議な気持ちになっていた。
母は昔から韓流ドラマが大好きだった。
夕食後、テレビの前で涙を流しながらドラマを観ていた姿を、子供の頃から何度も見てきた。
けれど正直、僕にはよく分からなかった。
韓国料理は嫌いじゃない。
でも「韓国に行きたい」と思った事は一度もなかった。
ましてや海外旅行自体、仕事を理由にずっと避けてきた。
そんな僕が、母を韓国へ連れて行こうと思ったのは、ほんの些細な理由だった。
神戸空港からソウルへの直行便が新しく就航した――。
そのニュースを見た母が、少しだけ嬉しそうな顔をしたのだ。
「近くから行けるようになったんやねぇ」
その言葉を聞いた瞬間、なぜか僕の中で何かが引っかかった。
気づけば僕は、
「行ってみる?」
と口にしていた。
母は驚いた顔をした後、少し照れたように笑った。
「ええの?」
その笑顔を見た時、僕はようやく気づいた。
母はずっと“行きたかった”のだ。
子育て、仕事、家の事。
自分の事を後回しにしてきた人生の中で、韓国ドラマはきっと、母にとっての小さな憧れだったのかもしれない。
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神戸空港からのフライトは、思っていた以上に気軽だった。
大きな国際空港のような慌ただしさもなく、仕事帰りのような感覚で搭乗できる。
「海外旅行って、もっと大変やと思ってた」
母は少し安心したように笑っていた。
機内では、母が昔好きだった韓流スターの話をずっとしていた。
正直、僕には誰が誰だか分からない。
それでも、楽しそうに話す母を見ていると、不思議と悪い気はしなかった。
ソウルへ到着した夜。
明洞の街は、想像以上にエネルギーに溢れていた。
ネオン。
屋台。
韓国語が飛び交う街並み。
日本と似ているのに、どこか違う。
そんな不思議な空気感があった。
「ドラマで見た景色や……」
母はまるで少女のような目をしていた。
屋台で食べたトッポギは思ったより辛かった。
けれど、寒い夜の湯気の向こうで笑う母を見ていると、それすら楽しかった。
翌日は、韓国ドラマのロケ地巡りだった。
正直、最初は付き添い程度の気持ちだった。
けれど実際に歩いてみると、韓国という国が少しずつ面白く感じ始めていた。
カフェ文化。
地下鉄の便利さ。
街のスピード感。
そして何より、人々の熱量。
日本とは違うテンポで動く街に、不思議な魅力を感じた。
気づけば僕の方が写真を撮っていた。
「アンタの方が楽しんでるやん」
母が笑う。
「……かもしれんな」
そう返した時、自分でも少し驚いた。
帰国日の空港。
搭乗前、母がぽつりと言った。
「連れてきてくれて、ありがとう」
その言葉を聞いた瞬間、僕は少しだけ胸が熱くなった。
韓国が好きになったのか、と聞かれれば、まだ分からない。
でも。
母がなぜ韓流ドラマに夢中だったのかは、少し理解できた気がした。
異国なのに、どこか人間味があって。
熱くて、優しくて。
感情がまっすぐで。
韓国という国には、人の心を動かす何かがある。
だからきっと、母は惹かれていたのだ。
神戸へ戻る機内の窓から、夕暮れの街が見えていた。
「また行きたいなぁ」
隣で母が呟く。
僕は窓の外を見ながら、小さく頷いた。
「次は釜山でも行く?」
母は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見ながら、僕は思った。
海外旅行は“遠くへ行く事”じゃない。
大切な人の知らなかった一面を、少し知る事なのかもしれない。
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